「ADR(裁判外紛争解決手続)とは?」広島弁で詐欺&消費者問題用語解説04
「業者との話し合いが、どうしてもまとまらん」
「裁判をするほどの時間や費用はかけられん」
「専門家に間へ入ってもらう方法はないんじゃろうか?」
そんなときに利用できる可能性があるのが、
ADR(裁判外紛争解決手続)です。
①一言でいうと
ADRとは、英語の
Alternative Dispute Resolution
の頭文字を取った言葉です。
日本語では、一般に
「裁判外紛争解決手続」
と呼ばれます。
裁判所で訴訟を起こす以外の方法で、公正中立な第三者が関わり、
当事者同士の話し合いや専門的な判断によって、
トラブルの解決を目指す手続の総称です。
ADRには、主に次のような方法があります。
- あっせん:第三者が双方の話を聞き、話し合いを手助けする
- 調停:第三者が解決案を示すなどして、合意を目指す
- 和解の仲介:仲介者が双方の交渉を支援し、和解を目指す
- 仲裁:当事者が合意したうえで、第三者の判断に解決を委ねる
ただし、ADR機関によって、扱うトラブルの分野、手続の方法、
費用、利用条件などは異なります。
②具体例
ある消費者が、美容医療クリニックで、
「今日契約すれば安くなる」と勧められ、
高額な施術契約を結んだとします。
消費者は事前に、
「これ以外に料金はかかりません」
「途中でやめても、残った分は返金できます」
と説明されたと思っていました。
ところが、実際に施術を受けると、追加料金を請求されました。
さらに、途中解約を申し出たところ、
「返金には応じられません」
「そのような説明はしていません」
と言われてしまいました。
そりゃあ、話が違うじゃろ!
消費者は消費生活センターへ相談し、相談員が事業者との
あっせんを行いました。
しかし、消費者と事業者の主張が大きく食い違い、
話し合いだけでは解決できませんでした。
このような場合、トラブルの内容によっては、
専門のADR機関へ申し立てる方法を検討できます。
ADRでは、法律やその業界に詳しい専門家などが、
契約書、広告、メール、録音などの資料を確認し、
双方の言い分を聞きます。
そのうえで、返金、契約解除、損害の負担などについて、
話し合いによる合意を目指します。
③何が問題か
裁判は、法律に基づいて紛争を解決する重要な制度です。
しかし、一般の消費者にとっては、
- どのような書類を作ればよいか分からない
- 弁護士費用や裁判費用が心配
- 解決までに時間がかかりそう
- 事業者と争い続ける精神的な負担が大きい
- 専門的な商品やサービスについて説明するのが難しい
といったハードルがあります。
ADRでは、その分野に詳しい第三者が関わり、
裁判よりも柔軟な方法で解決を目指せる場合があります。
たとえば、
- 代金の一部を返金する
- 契約を途中で終了する
- 商品を交換する
- 修理費用を双方で負担する
- 今後の請求を行わないことを確認する
など、当事者の事情に応じた解決案を話し合えることがあります。
お互いが納得できる着地点を探すのも、大事な方法なんじゃ!
ただし、ADRを利用すれば、必ず解決するわけではありません。
話し合いによる手続では、相手方が参加しなかったり、
提示された解決案に同意しなかったりすれば、
合意に至らないことがあります。
また、ADR機関ごとに対象分野が決まっているため、
どのようなトラブルでも同じ機関へ申し立てられるわけではありません。
④関係する法律・制度
ADR全般に関係する法律として、
裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律
があります。
この法律は、ADRを利用しやすくするための基本的な仕組みを定めたもので、
一般にADR法とも呼ばれます。
また、法務大臣の認証を受けた民間の紛争解決事業者による制度は、
「かいけつサポート」と呼ばれています。
ADRには、実施する機関によって、さまざまな種類があります。
- 裁判所が行う民事調停や家事調停
- 行政機関や行政に関係する機関が行うADR
- 弁護士会や業界団体などが行う民間型ADR
- 金融、保険、住宅、通信など、分野別に設けられたADR
消費者問題に関する代表的な制度の一つが、
国民生活センター紛争解決委員会によるADRです。
国民生活センターの紛争解決委員会では、
消費者と事業者との間で起きた紛争のうち、
その解決が全国的に重要である
「重要消費者紛争」を取り扱います。
国民生活センターのADRには、次の二つの手続があります。
和解の仲介
仲介委員が消費者と事業者の双方から話を聞き、
必要に応じて解決案を示しながら、
話し合いによる合意を目指します。
仲裁
当事者双方が、仲裁委員の判断に従うことをあらかじめ合意し、
仲裁委員の判断によって解決する手続です。
「消費者トラブルの裁判所」ではないんよ。
対象になるかどうか、まず相談窓口で確認するのが大事じゃ。
※この記事は、詐欺や消費者問題に関する用語を分かりやすく紹介することを目的としています。
個別の契約について、法的な判断や相談対応を行うものではありません。
実際のトラブルについては、消費者ホットライン「188」などの公的な相談窓口へご相談ください。


じゃけど正体は、裁判をせずに話し合いなどで解決を目指す仕組みなんよ!