「あっせんとは?」広島弁で詐欺&消費者問題用語解説03
「業者に解約を申し出たけど、まったく話を聞いてくれん」
「返金してほしいのに、同じ説明を繰り返されるばかり」
「自分一人では、もう交渉できそうにない」
そんなとき、消費生活相談員が消費者と事業者の間に入り、
話し合いによる解決を手助けすることがあります。
これを、あっせんといいます。
①一言でいうと
あっせんとは、消費生活相談員などの第三者が、
消費者と事業者の間に入り、トラブル解決に向けた話し合いを手助けすることです。
消費者から事情を聞き、契約書や広告などを確認したうえで、
必要に応じて相談員が事業者へ連絡します。
その際、相談員は、
- 消費者が何に困っているのか
- 事業者はどのような説明をしているのか
- 契約や勧誘に問題がなかったか
- 関係する法律や制度には何があるか
といった点を整理し、解約、返金、修理、交換などについて、
双方が合意できる解決を目指します。
ただし、相談員が裁判官のように判決を出したり、
事業者に返金を命令したりする制度ではありません。
②具体例
高齢者の自宅に、床下工事の業者が訪ねてきたとします。
業者は床下を確認した後、次のように言いました。
「床下が湿気で大変なことになっています」
「このままでは家が傷みます」
「今日契約すれば、特別に安くできます」
不安になった高齢者は、その場で50万円の工事を契約しました。
ところが、帰宅した家族が契約書を確認し、
別の業者にも床下を見てもらったところ、
急いで工事をする必要はないことが分かりました。
家族が工事業者へ解約を申し出ると、
「もう材料を注文しています」
「工事の準備に入っているので、解約はできません」
「どうしてもやめるなら、キャンセル料を払ってください」
と言われてしまいました。
「今日だけ」「今すぐ」と急かす業者には、いったん待ってもらいんさい。
困った家族が消費生活センターへ相談すると、
相談員は契約書や勧誘の経緯を確認します。
訪問販売に当たる場合には、クーリング・オフが可能かどうかを検討します。
また、
- 事実と異なる説明がなかったか
- 必要以上に不安をあおっていなかったか
- 契約書面が正しく交付されていたか
- すでに工事が始まっているか
といった点も確認します。
そのうえで必要があると判断すれば、
相談員が事業者へ連絡し、解約や返金について話し合います。
このように、消費者と事業者の間に入って、
話し合いによる解決を支援するのが、あっせんです。
③何が問題か
消費者と事業者の間には、商品やサービスに関する情報量、
法律知識、交渉経験などに大きな差があります。
事業者から、
「契約書に書いてあります」
「法律上、解約はできません」
「もう手続が進んでいるので無理です」
と強く言われると、消費者は、
「専門家が言うんだから、仕方がない」
と思ってしまいがちです。
しかし、事業者の説明が必ずしも正しいとは限りません。
実際には、クーリング・オフができる場合や、
勧誘方法に問題があれば契約を取り消せる場合もあります。
声が大きい方が勝ち、いう話じゃないけえね!
相談員が間に入ることで、消費者が一人で交渉するよりも、
問題点や法的な考え方を整理しやすくなります。
ただし、あっせんには、裁判の判決のような強制力はありません。
事業者が話し合いそのものを拒否する場合や、
双方の主張が大きく食い違う場合には、
合意に至らないこともあります。
あっせんを行っても解決しない状態を、
一般にあっせん不調と呼ぶことがあります。
④関係する法律・制度
地方自治体の消費生活センターなどでは、
消費生活相談員が消費生活相談やあっせんに対応しています。
消費者安全法では、地方公共団体が行う消費生活相談に関する事務として、
事業者に対する消費者からの苦情処理のためのあっせんが位置づけられています。
相談内容によっては、次のような法律が関係します。
- 消費者安全法
- 特定商取引法
- 消費者契約法
- 民法
- 割賦販売法
- 製造物責任法
あっせんでは、相談員がこうした法律や契約内容を踏まえて、
消費者と事業者の主張を整理します。
ただし、すべての相談で必ずあっせんが行われるわけではありません。
まずは相談者自身が事業者へ申し出られるよう助言し、
それだけでは解決が難しい場合などに、あっせんが検討されます。
また、消費生活センターでの解決が難しい場合には、
相談内容に応じて、
- 弁護士
- 法テラス
- 警察
- 業界団体の相談窓口
- 裁判外紛争解決手続であるADR
などを案内されることもあります。
それでも、一人で交渉するよりは、ずっと心強い存在なんじゃ。
※この記事は、詐欺や消費者問題に関する用語を分かりやすく紹介することを目的としています。
個別の契約について、法的な判断や相談対応を行うものではありません。
実際のトラブルについては、消費者ホットライン「188」などの公的な相談窓口へご相談ください。


相談員さんが、消費者と業者の間に入って話を整理してくれる仕組みなんよ!