400文字ショートショート「開票しない選挙」

ド田舎にある場塚村は、戦前より村全体が2つの派閥に分かれて、いがみ合っている。特に4年に一度の村長選挙では熾烈な選挙戦が展開される。過去にはヒートアップしすぎて暴力沙汰に発展したことも。
この積年の争いを終息させるべく、「選挙活動と投票は行うけど、開票せずに終わる」という「開票しない選挙」という選挙が、世界で初めて実施された。従来の選挙では負けた方は恨みが残り、新たな抗争の火種になってしまう。しかし、勝敗を決めなければ遺恨が残らない。その代わり、立候補者全員を「当選」として、全員で村長を兼務する。村の政策は、全村長の主張や意見を持ち寄り、それを人工知能に入力して、全員が納得する折衷案を打ち出す。これで、不仲が解消される…と踏んだのだ。
選挙が終わり、当選した全村長が互いの意見を出し合った。それを人工知能に入力したところ、出た答えは「全員、リーダーとしての資質なし。選挙やり直し」。

 

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