自分のために書く

小さい頃から文章を書くのが得意でした。

そして同時に、好きでした。

大学を出るまで、

小説、詩、日記、コントの台本などを、

夢中で描きました。

 

大学を出て、何度か転職して、

文章を書いて身をたてることにしました。

 

私は、フリーのライターになりました。

 

雑誌やサイトの記事、チラシのコピー、ラジオCMの台本、事業計画書など、

様々な書類を描きました。

変わったところでは、

社長さんが愛人に別れを告げるための手紙の代筆、

なんていう仕事もありました。

成人向けゲームのシナリオを書いたこともあります。

（成人向けでないゲームシナリオも書いたことがあります）

 

クライアントに、

求められるまま、

必死に書きました。

妻と子どもを養うために。

そして、鬱病で倒れました。

 

今年で49歳になり、来年50歳になります。

（人のため、金のために書くのは、もうそろそろいいかな）

と思い始めました。

 

そして、子どもの頃から書きたかった、

小説を書きはじめました。

 

たくさんの人に喜んでもらえ、

評価されるものができたらいいな、

と思います。

一方で、誰にも評価されず、

単なる自己満足で終わっても良いかな、

とも思います。

 

人は時として、

満たされるか満たされないか

分からない欲望のために、

一生を捧げてしまう。

その愚を笑う者は、

畢竟、人生の路傍の人にすぎない

　　　　ーー芥川龍之介『芋粥』より

とにかく、

死ぬ時に後悔しないように、

自分の欲望に基づいて、

日々の生活の中の許される時間、

生きていこうと思っています。